B2B(企業間取引)におけるEコマースは、最も急成長している販売モデルのひとつです。現在、100万ドル(約1億5,500万円)を超えるB2B取引の半数以上が、デジタルのセルフサービスチャネルを通じて行われているという調査結果があります。B2Bと従来のD2C(消費者直販)Eコマースには、多くの共通点があります。セルフサービス型のオンラインストアで商品を販売できるほか、検索エンジンを活用することで、自社の商品やサービスを探している潜在顧客にタイミングよくアプローチできます。
B2B購買担当者は購買プロセスにかかる時間の70%をオンラインでの情報収集に費やしているという調査結果もあります。購買の意思決定にあたっては、ほとんどの担当者が検索エンジンを利用しており、オンラインマーケットプレイスや展示会を上回る、B2Bの商品やサービスを見つけるための最も一般的なチャネルとなっています。
このガイドでは、B2B購買担当者のこうした検索行動を活かし、検索ユーザーを優良顧客に変えるB2BのSEO戦略を構築する方法を解説します。
B2BとB2CのSEOの違いとは
B2BとB2CのSEOマーケティングには共通点もありますが、重要な違いもあります。
セールスファネルの複雑性
B2Bの販売プロセスはB2Cと比べてはるかに長く複雑で、最大5か月に及ぶこともあります。また、大企業の購買では、意思決定に最大15人の関係者がかかわることもあり、一般的に1人で購入を決めるB2Cとは大きく異なります。そのため、意思決定の各段階にかかわる複数の担当者が、必要なコンテンツを簡単に見つけられるようにすることが重要です。
さらに、B2Bでは一般的に購入金額が大きく、それだけリスクも高いため、購買担当者は購入を決断するまでに、より多くの判断材料を必要とします。ケーススタディ、ホワイトペーパー、製品資料などのコンテンツは、コンバージョンに近い段階で重要な役割を果たします。こうしたコンテンツも、必要なタイミングで購買担当者が簡単に見つけられるよう、SEOを意識して最適化する必要があります。
検索ボリュームの少なさ
従来のSEOでは、検索ボリュームの多いキーワードを狙うことが定石とされてきました。そのキーワードを検索する人が多いほど、ターゲットにしたページから収益を得られる可能性も高まると考えられているためです。
しかし、B2BのSEOでは必ずしもそうとは限りません。製品を比較検討している企業は、詳しい仕様や条件を重視する傾向があり、主要な検索キーワードから派生したロングテールキーワード(例:「ビタミンC配合フェイスマスク 卸売」)を使用する可能性が高くなります。こうしたキーワードは検索ボリュームこそ少ないものの、B2B顧客は一般消費者よりも購入金額が大きいため、検索ボリュームがそれほど多くなくても、キーワードを絞ったSEOで十分な収益を見込めます。
また、B2BにはB2Cと比べて市場規模そのものが小さい分野もあります。たとえば、「産業用HVACシステム」のようなキーワードは、「赤いサマードレス」のような一般消費者向けの幅広いキーワードと比べて、検索する層がはるかに限定されます。そのため、B2C向けのキーワードと比べて検索ボリュームが少なくなるのは自然なことです。
コンバージョン率の低さ
B2Bの意思決定プロセスは長く複雑なため、購買担当者が検索エンジン経由でオンラインストアを見つけ、すぐに購入に至るケースは多くありません。購入を決断するまでに、ブランドと何度も接点を持ち、十分な情報を集める必要があります。そのため、B2BのSEOはD2CのSEO戦略と比べて短期的なコンバージョン率が低くなる傾向がありますが、SEOの効果が低いというわけではありません。
マルチチャネルアトリビューションを活用すると、長い販売サイクルの中でB2BのSEOがどのような役割を果たしているかを把握できます。たとえば、購買担当者が最初にGoogleなどの検索エンジンで商品やサービスを見つけ、その後ソーシャルメディアを閲覧したり、Webサイトに直接アクセスしたりするケースがあります。マルチチャネルアトリビューションなら、購入直前に利用したチャネルだけでなく、最初の接点となったSEOも評価できるため、長期にわたるB2Bの購買プロセスにSEOが与えた影響を把握できます。
成功するB2B SEO戦略の構築
B2BのSEOに投資する価値があることは明らかです。ここからは、実際にB2B SEO戦略を構築する手順を見ていきましょう。
- ターゲット市場とオーディエンスを理解する
- B2Bセールスファネルを最適化する
- 検索意図を重視したキーワードリサーチ戦略を立てる
- トピッククラスターとピラーページを活用する
- B2B SEOの最新トレンドを取り入れる:AIと検索結果の変化
- セールスファネルに合わせたコンテンツマーケティング戦略を立てる
- テクニカルSEO監査を実施する
- オフサイトシグナルを活用する
1. ターゲット市場とオーディエンスを理解する
あらゆるマーケティング戦略は、誰にアプローチするのかを深く理解することから始まります。B2BのSEOも例外ではありません。
ターゲット市場を理解することで、見込み顧客がオンラインで商品やサービスを探す際に使う可能性の高いキーワードやフレーズを特定できます。こうした理解がなければ、オーガニックトラフィックを増やせても、有望なリードや見込み顧客の獲得につながらないキーワードを狙ってしまう可能性があります。(このような結果を見て「SEOはもう効果がない」と考える人もいるかもしれませんが、実際にはターゲットとする検索ユーザーを間違えているだけです。)
既存のB2B顧客に質問し、以下の点を明らかにしましょう。
- 抱えている課題や解決したい問題
- 達成したい目標
- 普段使っている専門用語
- よく利用しているコンテンツの種類
こうして得た情報は、Webサイトのユーザー体験を向上させるうえでも役立ちます。Googleは、ページエクスペリエンスを重視していることを明らかにしています。「Googleのコアランキングシステムは、優れたページエクスペリエンスを提供する質の高いコンテンツを評価します。サイト所有者が当社のシステムで成功を収めるには、ページエクスペリエンスの1つまたは2つの側面だけに焦点を当てるべきではありません。代わりに、多くの側面で全体的に優れたページエクスペリエンスを提供しているかどうかを確認してください。」
2. B2Bセールスファネルを最適化する
ターゲット市場を理解したら、さらに掘り下げて、見込み顧客が実際の顧客になるまでにどのようなプロセスをたどるのかを把握しましょう。B2Bセールスファネルの全体像を把握することで、新たなSEO戦略に取り組む際、どこにリソースを優先的に投入すべきか判断できます。
ファネルの最下部にいる購買担当者が使うキーワードは、購入意欲の高い見込み顧客にリーチしやすい一方、検索結果の上位を狙う企業も多いため、競争が激しくなる傾向があります。競争の激しい検索結果ページ(SERP)で上位を獲得するには、被リンク、ブランドメンション、カスタマーレビューなどの信頼性を示す要素を積み重ねる時間が必要になる場合があります。そのため、SEOによる投資収益率(ROI)を早期に確認したい新しいB2Bブランドにとっては、必ずしも最適な戦略とは限りません。
B2Bの購買ジャーニー全体を把握することは、どのようなコンテンツを作成するかを考えるうえでも重要です。初めてブランドに接する購買担当者には、基礎知識を提供する記事や入門的なハウツーコンテンツが適しています。一方、購入を検討している段階では、ケーススタディや詳細なレビューが必要になります。こうした各段階のコンテンツを、それぞれの購買担当者が検索するキーワードから見つけられるようにすることが重要です。
3. 検索意図を重視したキーワードリサーチ戦略を立てる
キーワードリサーチとは、購買担当者が自社の商品やサービスを探す際に、どのようなキーワードで検索しているのかを調べるプロセスです。SemrushやAhrefsなどのSEOツールが役立つほか、顧客からのフィードバックやGoogle Search Consoleの集客レポートも、キーワードを見つける手がかりになります。
B2CのSEOとは異なり、B2Bではキーワードを選定する際、検索ボリュームを最優先する必要はありません。購買担当者は卸売商品を探す際、より長く具体的なキーワードを使う傾向があります。また、業界で日常的に使われている専門用語で検索することも少なくありません。
検索ボリュームの少なさだけで判断せず、候補となるキーワードの検索意図を確認しましょう。検索意図を把握することで、どのページでキーワードを狙い、どのようなコンテンツを作成すべきかを判断できます。
検索意図は、主に4つのカテゴリーに分類できます。
- 情報型: 「ERPソフトウェアとは」「リード生成の意味」など、購買ファネルの上部にいる人が情報収集のために使うキーワードです。検索ユーザーはまだ購入を検討する段階にはなく、基本的な情報やアドバイスを求めています。こうしたニーズにはブログ記事で対応できます。
- ナビゲーション型: 特定のWebページを探すために使われるキーワードです。「Shopifyカスタマーサポート」「Google Geminiケーススタディ」などが該当します。商品ページやブログのカテゴリページなどにキーワードを含め、見込み顧客を目的のページへ誘導しましょう。
- 商業型: 購買ファネルの中間にいる人が、選択肢を比較・検討する際に使うキーワードです。「メールマーケティングアプリ 比較」「倉庫セキュリティシステム おすすめ」などが該当します。比較ページや商品カテゴリページでターゲットにしましょう。
- トランザクション型: 購入や問い合わせなど、具体的な行動を起こす意図がある人が使うキーワードです。「産業用3Dプリンター 購入」「法人向け自動車保険 見積もり」などが該当します。購買ファネルの下部にいる購買担当者が、商品の購入や見積もり依頼といったアクションを取れるよう、商品ページやランディングページでターゲットにしましょう。
4. トピッククラスターとピラーページを活用する
トピッククラスターとは、収益につながるテーマを軸にコンテンツを体系化するSEO戦略です。中心となるピラーページでは、テーマ全体を幅広く解説します。そこから、個々のサブトピックを詳しく掘り下げるクラスターページを作成し、ピラーページへのリンクを設置します。
たとえば、制作会社や写真スタジオ向けにプロ仕様の照明機器を販売するB2BのECブランドがあるとします。この場合、「動画制作のプロ向け照明」をテーマに設定できます。
ブランドは、「動画制作のためのプロ向け照明ガイド」というピラーページを作成し、スタジオマネージャーやクリエイティブディレクターが知っておくべき情報を幅広く取り上げます。たとえば、三点照明の仕組み、色温度、機器の種類などです。
クラスターページでは、購買担当者が抱える、より専門的な疑問に答える記事やチュートリアルを作成します。たとえば、以下のようなテーマが考えられます。
- LEDと蛍光灯のスタジオ照明:コストパフォーマンスを比較
- 企業インタビューに適したキーライトの選び方
- ロケ撮影用ポータブル照明キットガイド
- スタジオ照明グリッドのアップグレードによるROIの計算方法
- グリーンスクリーン用照明:セットアップの技術ガイド
クラスターモデルでは、「企業インタビューに最適な照明」を検索している制作会社が、そのテーマを扱ったブランドの記事にたどり着きます。記事が十分に役立つ内容であれば、制作会社はその照明ブランドを信頼できる専門家として認識するようになります。その後、メーリングリストに登録したり、ブランドのWebサイトでほかのコンテンツを読んだり、営業担当者との商談を予約したりする可能性があります。
💡トピッククラスターの構築:
- 商品カテゴリーや顧客が達成したい目的をもとに、収益につながる3〜5つのピラーを選ぶ(例:「倉庫照明のアップグレード」「食品用包装のコンプライアンス」)。Google Search Consoleの検索キーワード、購入意欲の高い見込み顧客に関するCRMの記録、営業電話の要約などを参考に、テーマが適切か確認しましょう。
- 役割ごとにファネルを整理する。各ピラーについて、エンジニアや仕様担当者(仕様、基準)、調達担当者(最小発注数量、価格、納期)、運用担当者(設置、メンテナンス)、財務担当者(ROI、還付・優遇制度)が抱く疑問をリストアップします。
- コンバージョンを意識してピラーページを設計する。中心となるテーマについて詳しく解説する記事を作成し、検索意図に合ったCTAを設置します。仕様書のダウンロード、見積もり依頼、担当者への問い合わせなどです。記事全体から、関連する商品カテゴリーや主要商品にもリンクしましょう。
- ピラーごとに8〜15件のクラスターコンテンツを計画する。1ページにつき1つのキーワードに焦点を当て、ハウツーガイド、解説記事、コンプライアンスのチェックリスト、導入ガイド、比較記事などを組み合わせます。
- 戦略的に内部リンクを設置する。内部リンクによって、そのトピックを包括的に扱っていることを検索エンジンに伝えられます。すべてのクラスターページからピラーページへ、ピラーページから各クラスターページへリンクし、関連コンテンツが論理的につながる構造を作りましょう。
クラスターモデルは短期間で構築できるものではなく、継続的に運用するためのコンテンツチームが必要です。具体的には、記事のブリーフ作成、専門家によるレビュー、クラスターを最新の状態に保つための定期的な更新などが必要になります。各担当者の役割と責任範囲を明確にした運用ルールを作成し、誰が何を担当するのかをチーム全体で共有しましょう。
5. B2B SEOの最新トレンドを取り入れる:AIと検索結果の変化
この1年ほど、LinkedInでマーケティング関連の情報を追っていれば、SEOが大きく変化していることに気づいているでしょう。しかし、基本原則の多くは変わっていません。ユーザーが読みたいと思うコンテンツを作れば、検索エンジンから評価されます。
とはいえ、こうした基本に加えて、現在のオーガニック検索を取り巻く環境を理解しておくことも重要です。GoogleのAI検索機能である「AI による概要」と「AI モード」は広く利用されるようになり、検索体験そのものを変えています。また、Googleが米国発の掲示板型ソーシャルメディア「Reddit(レディット) のデータをライセンス供与されたことで、Redditのコンテンツが検索結果やAIによる回答に表示される機会も増えています。そのため、Redditに投稿された有益で信頼性の高い情報が、検索結果やAIによる回答に影響を与えるようになっています。
現在、オンラインで何かを検索しても、テキスト広告と従来の検索結果だけが表示されるわけではありません。「AI による概要」による要約が表示されるほか、「AI モード」を使って会話形式で検索することもできます。
この違いを具体的に見るために、似た内容を検索した場合の2つの検索体験を比較してみましょう
「lighting suppliers for home goods brands USA」(米国の家庭用品ブランド向け照明サプライヤー)と通常検索すると、スポンサー広告、AIによる概要、従来の検索結果が並ぶページが表示されます。
一方、AIモードで「Who are the top lighting suppliers in the USA for home goods brands?」(米国の家庭用品ブランド向け照明サプライヤーでおすすめは?)のように会話形式で質問すると、検索体験は大きく異なります。Webサイトの一覧が表示されるのではなく、Web上のさまざまな情報をまとめた、具体的で詳しい回答が直接表示されます。
こうした会話型の検索は、ユーザーの利用が広がっています。複数のタブを開いて自分で情報を集めなくても、複雑な質問に対する答えをすぐに得られるためです。
ただし、ここで重要なのは、AIがこうした情報をゼロから生み出しているわけではないという点です。AIは、オンライン上で見つけた信頼性の高いコンテンツを引用したり、要約したりして回答を生成します。これまでコンテンツSEOでは、検索結果で上位に表示されることが主な目標でした。これからは、明確で信頼性が高く、専門家の知見に基づいたコンテンツを作り、AIによる回答の情報源として採用されることも重要になります。
6. セールスファネルに合わせたコンテンツマーケティング戦略を立てる
コンテンツ戦略では、B2Bの各キーワードに合わせてオンラインストアのコンテンツを最適化する方法を決めます。ここでは、一般的なB2Bコンテンツ戦略と、それぞれの検索意図に適したコンテンツの種類を紹介します。
ブログ記事
ブログは、「〜とは」「メリット」などの情報収集を目的としたキーワードに対して、購買担当者が求める答えや役立つ情報を提供する場です。
また、ブログ記事を通じて、特定の課題や悩みを抱える購買担当者に解決のヒントを提供することもできます。たとえば、ファッション小売業者がGoogleで「ファッション AIトレンド」と検索している場合、最新動向に乗り遅れていると感じていたり、競合他社に後れを取ることを懸念していたりする可能性があります。そこで、最新のAIトレンドをまとめ、ファッションやAIの専門家の見解を交えながら、そうした懸念に応える記事を作成できます。
この段階での目標は、商品を売り込むことではありません(コンテンツの中でさりげなく紹介することはできます)。自社ブランドをその分野の専門家として認識してもらうことが重要です。購買担当者が具体的な商品や選択肢を比較検討する段階に進んだとき、すでに有益な情報を提供しているブランドとして思い出してもらいやすくなります。
カテゴリページ
カテゴリページは、関連する商品をまとめて掲載するページです。購買担当者が複数の選択肢を比較検討する際に、検索から見つけられるようにしておく必要があります。「おすすめ」「〜向け」などのフレーズを使った商業型キーワード(例:「倉庫用照明システム」)をターゲットにするのに適しています。
商品ページ
商品ページを閲覧している購買担当者は、購買ファネルの下部に位置し、商品の技術仕様や用途、価格などの具体的な情報を探しています。
こうした情報を見つけてもらいやすくするため、商品説明、メタディスクリプション、画像の代替テキストなど、ページ内のさまざまな要素に商業型キーワードや具体的なキーワードを取り入れましょう。たとえば、プロジェクト管理ソフトウェアを販売するB2Bブランドなら、商品ページで「医療向けプロジェクト管理ソフトウェア」「カスタマイズ可能なプロジェクト管理ツール」などのフレーズをターゲットにできます。
ランディングページ
ランディングページは、特定のアクションを促すことを目的としたページです。その成果は、設定したマイクロコンバージョンを達成したユーザーの数で測定します。「比較」「見積もり」「価格」「デモ」などの言葉を含むトランザクション型キーワードに適したコンテンツ形式です。メールフォームを設置して、コンテンツを提供する代わりに見込み顧客の情報を取得し、後のリターゲティングに活用することもできます。
7. テクニカルSEO監査を実施する
B2B Webサイトの基盤を整えることで、検索エンジンのクローラーがサイト内をスムーズに巡回できるようになります。B2Bのオンラインストアを最適化する際に確認したい、テクニカルSEOのチェック項目は以下のとおりです。
- サイトの表示速度とパフォーマンスを確認・監視する。検索エンジンは、検索結果に表示するサイトがユーザーに優れた体験を提供できることを重視しています。読み込みに時間がかかるWebサイトは、この基準を満たせません。コンテンツ配信ネットワーク(CDN)の使用、画像の圧縮、不要なアプリのアンインストールなどによって、サイトのパフォーマンスを改善しましょう。(これはSEO以外にもメリットがあります。サイトの表示速度がわずか1秒改善するだけでも、コンバージョン率が向上する可能性があります。)
- モバイル向けに最適化する。レスポンシブデザイン、リダイレクトの抑制、構造化データの活用により、B2Bのオンラインストアがモバイル検索結果に表示されやすくなります。
- 404エラーやリンク切れを確認する。リンク切れがあると、ユーザーが存在しないページにアクセスしてしまい、ユーザー体験を損ないます。Google Search Consoleで404エラーを確認し、リンク切れとなったURLを最も関連性の高いページにリダイレクトしましょう。たとえば、レディース用グレーのパンツの商品ページを削除した場合は、「レディース用パンツ」のカテゴリページにリダイレクトします。
- 内部リンクのアンカーテキストを見直す。アンカーテキストとは、リンクが設定されているテキストのことです。「こちらをクリック」「詳細はこちら」といった一般的な表現ではなく、リンク先のページでターゲットとしているキーワードを優先して使用しましょう。例:B2Bカスタマーサービス。
- 重複コンテンツを削除する。同じ、または非常によく似たコンテンツが複数のURLにあると、検索エンジンがどのページを検索結果に表示すべきか判断しにくくなります。B2BのEコマースでは、商品説明やカテゴリの説明などで重複が生じることがあります。それぞれのURLで固有の内容になるよう書き直しましょう。
- URL構造を最適化する。ページの内容がわかるURLにすることで、検索エンジンがそのページの内容を理解しやすくなります。わかりやすいURLは、ユーザー体験の向上にもつながります。「storename.com/product/mens-new-balance-sneakers」のようなURLは、「storename.com/nbsneakers395」よりも内容がわかりやすく、ユーザーにも安心感を与えます。
- サイトマップを確認する。サイトマップは、検索エンジンのクローラーが新しいページを発見し、インデックスに登録するために利用する、Webサイト内のURLをまとめたものです。Shopifyでは、すべてのオンラインストアのサイトマップが自動的に生成されるため、手動で作成する必要はありません。
8. オフサイトシグナルを活用する
検索エンジンが検索結果でのページの順位を決める際、評価するのはWebサイト内の要素だけではありません。
Googleから見れば、信頼性の高いサイトから多くの被リンクを獲得しているサイトは、被リンクが少なかったり、関連性の低いサイトからのリンクが中心だったりするサイトよりも信頼性が高いと判断できます。ほかのWebサイトが自社のユーザーをそのサイトへ誘導しているということは、有益なサイトだと評価されていることを示す一つのシグナルとなり、検索結果での評価にもつながります。
ブランドメンションも同様です。ブランドメンションとは、ほかのWebサイトで自社について言及されているものの、リンクは設定されていないケースを指します。サイト運営者に連絡し、ブランドメンションに自社サイトへのリンクを追加してもらうのも有効ですが、リンクがなくても一定の価値があります。検索エンジンにとって、ほかのサイトで話題にされていること自体が、そのサイトの有用性を示すシグナルになるためです。
Googleで検索すれば、さまざまなリンク構築の手法が見つかります。時間が限られていて、効率よく成果を上げたい場合は、以下のような施策を優先しましょう。
- 卸売マーケットプレイスや業界団体、企業情報サイトなどへの掲載
- LinkedInなどのB2B向けプラットフォームでのソーシャルメディアプロフィールの作成
- ITreviewやBOXILなどのB2B向け比較・レビューサイトへの掲載
こうした外部サイトでの情報や評価は、購買担当者が商品を選ぶ際の判断材料にもなります。特に、そこで高い評価や好意的なレビューを獲得している場合は効果的です。第三者からの評価や口コミによる社会的証明は、B2BでもD2Cと同様に重要です。
既存顧客と似た企業から寄せられた第三者の推薦や評価は、B2Bのオンラインストアへの流入を増やすだけでなく、購買担当者が商品やサービスを候補に加えるための安心材料にもなります。
B2B SEOの実例
Microfiber Wholesale
Microfiber Wholesaleはマイクロファイバー製の清掃用品を小売業者向けに卸売価格で販売するオンラインストアです。見込み顧客が検索するキーワードを特定し、関連する検索結果で上位表示される可能性を高めるため、商品ページにそれらのキーワードを取り入れています。
たとえば、マイクロファイバー製クリーニングワイプの商品ページでは、商品説明に「使い捨てクリーニングワイプ」や「10×12マイクロファイバーワイプ」などの具体的なロングテールキーワードを使用しています。さらに、「細菌」「化学物質の流出」など、検索エンジンがページの内容を理解するのに役立つ関連キーワードも盛り込まれています。
Brooklinen
Brooklinenは、ECサイトを通じて卸売顧客と一般消費者の両方に寝具を販売しています。Shopifyで構築されたBrooklinenのサイトは、競合他社と比べて平均約1秒速い表示速度を実現しています。しかもこれは、B2Bオンラインストアのレイアウトやデザインを最適化する前の段階での結果です。
「ShopifyのB2Bを活用することで、これまでとは違った方法でこうした顧客に対応できるようになりました。通常のD2C顧客と同じような体験を、B2B顧客にも提供できます」と、Brooklinenのエマージングチャネル担当シニアバイスプレジデント、Kelly Hallinan氏は述べています。
高速なサイト表示と、検索エンジンが理解しやすい技術基盤によって、Brooklinenのチームの負担も軽減されています。現在では、業務時間の80%を、B2Bオンラインストアを通じてセルフサービスで購入する顧客への対応に充てられるようになりました。このストアでは、D2Cの購入者が慣れ親しんでいるような、直感的でブランドの世界観を反映した購入体験をB2B顧客にも提供しています。
Branch Furniture
Branch Furnitureは、B2Bオンラインストアを通じて小売業者向けにオフィス家具を販売しています。購買ファネルの上部にいる購買担当者にアプローチするため、ブログでは「ホームオフィスのセットアップ方法」「オフィスデザインのアイデア」などのロングテールキーワードをターゲットにしています。
こうしたキーワードで検索する購買担当者は、必ずしも新しいオフィス家具の購入を検討しているとは限りません。しかし、Branchはブログコンテンツを活用して、キーワードをアンカーテキストに使用した商品ページへの内部リンクを設置しています。たとえば、デスクチェアの商品ページには「エルゴノミックチェア」というアンカーテキストでリンクしています。これにより、Googleとユーザーの双方にリンク先の商品ページの内容を伝え、どのキーワードと関連するページなのかを検索エンジンが理解しやすくしています。
B2B SEO戦略の高度なヒント
B2B SEO戦略をさらに強化するために、以下のヒントを参考にしてください。
1. デジタルPRで価値の高い被リンクを獲得する
デジタルPRは、被リンクを増やす効果的な施策です。信頼性の高い業界メディアから獲得した1本のリンクは、質の低いリンクを何百本も集めるより大きな価値を持つことがあります。
被リンクを増やすには、以下の方法を試してみましょう。
- 独自のデータやインサイトを作る。小規模な調査を実施したり、独自のベンチマークを公開したり、個人や企業を特定できないよう処理した自社プラットフォームのデータを公開したりします。
- メディアが取り上げやすい形に情報をまとめる。解禁日時を設定したプレス資料、すぐに掲載できるグラフ、専門家のコメントなどを用意します。締め切りに追われる記者にとって、そのまま記事に活用できる素材は重宝されます。
- まずは専門メディアにアプローチし、その後より大きなメディアへ広げる。自社の理想的な顧客像(ICP)と読者層が一致する業界メディアから始め、話題が広がったら、より規模の大きなメディアへの掲載を目指します。
2. パートナーとのコンテンツ制作でトピックの専門性を高める
質の高い被リンクを獲得する方法は、PRだけではありません。信頼できる他社と連携してコンテンツを作成し、互いのWebサイトからリンクする方法もあります。たとえば、以下のような施策が考えられます。
- 関連サービスを提供する企業(ERPや配送サービス事業者など)と共同でソリューションガイドを作成する。各社がそれぞれのWebサイトでガイドを公開して相互にリンクすることで、双方のサイトの信頼性向上につなげます。
- 業界ディレクトリや標準化団体のスポンサーになる。こうしたサイトは高いドメインオーソリティを持つ場合があり、ジャーナリストの情報源として引用されることもあります。
- 顧客の成功事例を活用する。顧客と共同でケーススタディを作成し、顧客側のブログにも掲載してもらいましょう。その際、自社の導入ガイドへのリンクを本文に含めてもらいます。
3. 信頼性を示すシグナルを強化する
Googleの目標は、ユーザーにとって最も有益なコンテンツをWeb上から見つけ出すことです。そのためには、コンテンツの信頼性が重要になります。信頼性を高めるには、誰が執筆したのか、どのように内容を検証したのか、最後にいつ確認・更新されたのかを明確にすることが大切です。
B2B SEOに取り組む際は、以下のポイントを押さえて、コンテンツの信頼性と専門性を高めましょう。
- 著者名と経歴・資格を明記し、専門家のコメントを掲載する
- 更新履歴をわかりやすく表示する(例:「最終更新:2025年8月、変更内容:ISOに関する記述を更新」)
- データを掲載するセクションに出典一覧を付ける
- ROIの計算式のそばに、計算方法を簡潔に説明する
- 独自の視点やアイデアを盛り込んだソートリーダーシップコンテンツを公開する
- ポッドキャストやYouTube動画などのコンテンツを埋め込む
- B2Bの意思決定者が確認する重要な情報を、Webサイト上で常に最新の状態に保つ(セキュリティ/コンプライアンス、調達条件(最小発注数量、支払期限)、アクセシビリティ、サポートのSLAなど)
4. 被リンクは質を重視する
Googleの2024年3月のスパムアップデートでは、低品質で独自性のないコンテンツや、検索順位を操作する目的のリンクなどへの対策が強化されました。被リンク戦略では、以下のようなガイドラインを設けましょう。
- ターゲットとするキーワードやトピックとの関連性が高く、編集コンテンツの中に自然に設置されたリンクを優先する。
- 無関係なゲスト投稿の交換やフォーラムの署名欄を使ったリンク獲得など、安易な手法は避ける。こうした施策はSEOへの効果がほとんど期待できないうえ、Googleによる手動対策の対象となれば大きな悪影響を受ける可能性があります。
- リンクの否認は慎重に行う。可能であれば、リンク元のサイトに削除を依頼するほうが安全です。
B2B SEOを収益性の高い販売チャネルに変える
検索エンジンには、多くの見込み顧客をB2Bのオンラインストアへ呼び込む可能性があります。今からSEOに取り組むことで、その成果は今後数か月にわたって積み重なり、B2B事業者にとって長期的かつ持続可能な集客チャネルへと成長していきます。
Shopifyは、B2BとD2Cのビジネスを1つのプラットフォームで運営でき、卸売価格の設定、B2B企業アカウント、販売レポートなど、B2Bに必要な機能を備えています。ぜひ、ShopifyのB2Bに関する詳細をご覧ください。
B2BのSEO戦略に関するよくある質問
B2B SEOとは何ですか?
B2B SEOとは、ターゲット顧客が関連するキーワードで検索した際に、B2BのオンラインストアがGoogleの検索結果に表示されやすくするためのデジタルマーケティング戦略です。キーワードリサーチ、被リンクの構築、テクニカルSEOによるサイトの最適化などが含まれます。
B2B SEO戦略を構築するには?
- ターゲット市場とオーディエンスを理解する
- セールスファネルと購買プロセスを把握する
- キーワードリサーチ戦略を計画する
- B2Bセールスファネル向けのコンテンツ戦略を計画する
- テクニカルSEO監査を実施する
- 外部サイトからの評価を高める
SEOはB2BとB2Cのどちらに有効ですか?
SEOの基本的な手法は、B2BとB2Cのどちらにも活用できます。ただし、企業がSEOサービスやソフトウェアをほかの企業向けに販売する場合、そのビジネスはB2Bに該当します。
B2B SaaSにとってSEOが重要なのはなぜですか?
SEOは、B2BのSaaS(Software as a Service)企業がオンラインでの認知度を高めるうえで重要です。見込み顧客が情報を探したり、複数のサービスを比較したり、自社のようなソフトウェアを探したりしているタイミングでアプローチできます。
2025年のB2B SEOのベストプラクティスはどのように変化しましたか?
B2B SEOは、個々のキーワードで上位表示を目指すだけでなく、特定のトピックについて高い専門性や信頼性を確立することが重視されるようになりました。現在は、AIが生成する回答の情報源としてコンテンツが採用されることも重要になっており、専門家の知見を取り入れたコンテンツや独自調査の作成が求められています。そのため、SEOの成果も、有望なリードの獲得や販売パイプラインへの貢献といったビジネス上の成果で評価されるようになっています。
RedditなどのオンラインコミュニティとAIはB2Bの検索結果にどのような影響を与えていますか?
AIは、複数の情報源をまとめた回答を検索ユーザーに直接提示することで、B2Bにおける検索体験を変えています。そのため、AIが参照する信頼性の高い情報源としてブランドの存在感を高めることが重要です。同時に、検索結果には、ユーザーの率直な意見や体験談が投稿されるRedditなどのオンラインコミュニティの情報も表示されるようになっています。
B2B SEOでトピッククラスターをどのように活用できますか?
トピッククラスターでは、中心となるテーマを軸に関連コンテンツを体系的に整理することで、その分野におけるブランドの専門性を高めます。幅広いテーマを包括的に扱うピラーページを作成し、関連するサブトピックを詳しく解説するクラスター記事で補完します。各クラスターページからピラーページへリンクすることで、検索エンジンにコンテンツ同士の関連性や専門性を伝えるとともに、B2B購買担当者にとって情報を探しやすい構造を作ることができます。




