Webサイトを作成する際は、スムーズに進められるよう、あらかじめ全体の流れや各工程にかかる期間を把握しておくことが大切です。また、制作期間に影響する要因をあらかじめ知っておくことで、限られた予算や人員、時間の中で優先すべき作業が明らかになり、効率的に制作できるようになります。
この記事では、Webサイト制作の流れや各工程にかかる期間の目安、制作期間に影響する要因についてわかりやすく解説します。

Webサイト制作の流れと期間
- CMSやWebホスティングの選定(1〜2週間)
- 目的設定と情報アーキテクチャの設計(1〜3週間)
- ローファイワイヤーフレームの作成(1〜2週)
- ハイファイワイヤーフレームの作成(2〜3週間)
- Webサイトの開発(4〜10週間)
- マーケティングの準備(4〜6週間)
- Webサイトの公開と最終確認(3〜5日)
1. CMSやWebホスティングの選定(1〜2週間)
Webサイトをどこで運用し、コンテンツをどのように管理するかを決めます。Webサイトのコンテンツを作成および管理するCMS(コンテンツ管理システム)と、Webサイトのデータを保存および公開するWebホスティングの導入を検討します。
CMSの選び方
CMSはUX(ユーザーエクスペリエンス)やSEOにも影響するため、制作の初期段階で慎重に検討しましょう。
CMSを選ぶ際は、次のポイントを確認することが重要です。
- カスタマイズ性
- SEO機能
- 外部サービスとの連携
たとえば、メール配信システムや決済サービスと連携できるか、URLやメタデータを最適化する機能が備わっているかを確認しましょう。
ECサイトを構築する場合は、Shopify(ショッピファイ)のようなオールインワンプラットフォームが適しています。一方、ブログやニュースサイトなどコンテンツを中心としたWebサイトであれば、WordPress(ワードプレス)も有力な選択肢です。
Webホスティングの選び方
Webホスティングを選ぶ際は、次のポイントを確認しておくことで、安定したサイト運営につながります。
- 表示速度やパフォーマンス
- セキュリティ機能
- セールや繁忙期などにアクセスが急増した際の対応力
なお、ShopifyにはWebホスティングが標準装備されているため、ECサイトを構築する際に別途ホスティングサービスを契約する必要はありません。
2. 目的設定と情報アーキテクチャの設計(1〜3週間)
CMSやWebホスティングの仕様や制約が明確になったら、Webサイトの目的を明確にし、情報アーキテクチャ(IA)を設計します。情報アーキテクチャとは、情報を整理し、ユーザーが目的の情報にスムーズにたどり着ける構造に設計することです。
Webサイトの目的設定
「誰に、何をしてもらうためのWebサイトなのか」を明確にします。目的が定まっていないとコンテンツの方向性やページ構成、デザインなどもあいまいになり、成果につながらないWebサイトになってしまう可能性があります。
目的を明確にする際は、次の手順で取り組みましょう。
- 自社の課題を考える:売上が伸び悩んでいる、新規顧客数が増えないなどの課題を明確にし、Webサイト開設により解決できるものを検討する
- ターゲット層を明確にする:具体的にペルソナを設定し、年齢や興味、関心、抱えている課題などを整理しておく
- 目的と目標を具体化する:たとえば、「30代女性の新規顧客に商品を購入してもらう」という目的を設定し、「30代女性の新規購入者を月20人獲得」といった目標を設定する
このように目的や目標を具体化することで、掲載するコンテンツやデザインの方向性も決めやすくなるほか、Webサイトの効果を測定しやすくなります。
情報アーキテクチャの設計
情報アーキテクチャでは、まずサイトマップを作成し、Webサイト全体のページ構成や階層を整理します。サイトマップを作成することで、必要なページや情報の配置を把握しやすくなり、ページの重複や不足がないかを確認できます。
そのうえで、商品やサービスの内容にあわせて、ページやフォルダ構造を設計します。
たとえば、アパレルショップの構成は次のようになります。
- 第1階層:/shop
- 第2階層:/shop/men、/shop/women
- 第3階層:/shop/men/shirts、/shop/men/pants
このようにページ構成を整理することで、ユーザーが目的の情報を見つけやすくなるだけでなく、Webサイト全体の管理もしやすくなります。
3. ローファイワイヤーフレームの作成(1〜2週)
ローファイワイヤーフレームは、Webサイトの画面構成やレイアウトを大まかに設計した図です。主にUXの設計を目的としており、四角形や円などのシンプルな図形でコンテンツの配置を表現します。
文章やWebデザインの細かな要素ではなく、サイト全体の構成に集中できるため、マーケティング担当者やデザイナー、開発者などの関係者がサイト構成について認識を共有しやすくなります。
また、スマートフォンではメニューやCTA(行動喚起)ボタンの配置やサイズが異なるため、デスクトップ版だけでなくモバイル版の作成も必要です。作成には、Figma(フィグマ)やMiro(ミロ)などの専用ツールに加えて、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Googleスライドも利用できます。
4. ハイファイワイヤーフレームの作成(2〜3週間)
ローファイワイヤーフレームの内容が承認されたら、Webサイトの見た目を設計します。UI(ユーザーインターフェース)を中心に、フォントや配色、文章、画像などをブランドアイデンティティにあわせて反映します。
ハイファイワイヤーフレームは、完成後のWebサイトを具体的にイメージできる設計図です。関係者が完成イメージを共有できるだけでなく、Web開発者にとっても実装時の詳細な設計資料として活用できます。
クリック可能なプロトタイプを作成することで、ユーザーがWebサイトをどのように操作するかを確認できます。この段階では、簡単なユーザビリティテストを実施し、使い勝手に問題がないか確認すると良いでしょう。
FigmaやMiroにはプロトタイプを作成する機能があり、クリック操作や画面遷移を確認しながら、操作性を検証できます。
5. Webサイトの開発(4〜10週間)
ワイヤーフレームやモックアップをもとに、実際に動作するWebサイトを構築します。この段階では、レイアウトやフォント、文章、インタラクション(ユーザーの操作に対して返す反応)などを実装し、Webサイトに必要な機能を完成させます。
Webサイトの開発では、主に次の作業を行います。
- フロントエンド開発:ユーザーが実際に見る画面を構築
- バックエンド開発:メールアドレスの取得やストアとの連携など、Webサイトの機能が正しく動作するよう実装
- カスタムコード:要件に応じた独自機能を実装
- 動作テスト:Webサイトが正常に動作するか確認
インタラクティブマップ(ユーザーが地図を操作して店舗の場所などを確認できる機能)や売り切れ通知など、独自の機能が必要な場合も、この工程で開発します。
開発中は、スクロール時の動きやボタンにカーソルをあわせたときの表示など、細かな仕様について開発者と関係者が継続的に確認しながら進めます。また、想定外のトラブルに備えて、余裕を持ったスケジュールを組むことも大切です。
自分でWebサイトを制作する場合は、Webサイトビルダーを利用する方法もあります。ただし、希望する機能やデザインによっては対応できない場合もあるため、必要な機能やデザインにあわせて構築方法を検討することが重要です。
6. マーケティングの準備(4〜6週間)
Webサイトの開発が完了したら、集客や売上につなげるためのマーケティング施策を準備し、Webサイトやマーケティングコンテンツを整えます。
マーケティング施策には、次のようなものがあります。
- リスティング広告やバナー広告などの有料広告
- SNSマーケティング
- ブログ記事の公開
- 公開前の告知やキャンペーン
また、Googleなどの検索エンジンで上位表示されるためのSEOも重要です。具体的には、次のような施策があります。
- キーワード調査(Ahrefs(エイチレフス)やSemrush(セムラッシュ)など)
- メタタグやメタディスクリプションの最適化
- URL構造の最適化
- モバイル向けの最適化
ShopifyのようにSEO機能を標準搭載しているECプラットフォームを選ぶことで、これらの施策にも取り組みやすくなります。
さらに、マーケティング施策の効果を測定し、改善につなげられるよう、アクセス解析やコンバージョン測定の環境を整えておくと良いでしょう。Googleアナリティクスを設定することで、アクセス数やコンバージョン、流入経路などを把握できます。Googleタグマネージャーを利用すれば、特定のフォーム送信などのユーザー行動も記録できます。
7. Webサイトの公開と最終確認(3〜5日)
Webサイトを公開したらテスト注文などを行い、データが正しく処理されるか、各機能が正常に動作するかを確認します。
購入や問い合わせ、資料請求、無料トライアルの申し込みなど、コンバージョンにつながるすべての操作をテストし、ユーザーが問題なく利用できることを確認しましょう。

Webサイト制作期間に影響する要因
Webサイト制作には一般的な目安がありますが、制作方法や体制によって、完成までにかかる期間が短くなることもあれば、長くなることもあります。ここでは、制作期間に影響する主な要因を紹介します。
Webサイト作成ソフトを使うか、外部に依頼するか
Wix(ウィックス)やBiNDup(バインドアップ)のようなホームページ作成ソフトには、ドラッグ&ドロップで操作できる機能が搭載されています。コーディングを最小限に抑えられるため、数日程度でWebサイトを公開できる場合もあります。
また、SaaS型ECサイトを構築できるShopifyでは、テーマやテンプレートを利用できるため、Webデザインの経験がなくても短期間で本格的なECサイトを構築できます。
一方、外部に依頼してWebサイトを一から構築する場合は、打ち合わせやデザインの作成、コーディング、システム構築、テスト、不具合の修正などが必要になるため、完成まで数週間から数か月かかることがあります。
意思決定に関わる人数
意思決定に関わる人が多いほど、制作期間が長くなる傾向にあります。たとえば、複数の部署で確認や承認が必要な場合は、スケジュール調整に時間がかかり、制作が予定どおりに進まないことがあります。
制作を円滑に進めるためには、プロジェクトリーダーを決めて窓口を一本化し、あらかじめ承認フローやレビュー期限を設定しておくことが重要です。また、定期的に進捗を共有することで、公開直前の大幅な修正やトラブルを防ぎやすくなります。
カスタマイズの範囲
独自機能や複雑な機能を追加するほど、開発期間は長くなります。一方、既存のテーマやテンプレートを活用すれば、制作期間を短縮できます。
オリジナルデザインや独自機能を取り入れたWebサイトを制作する場合は、その分スケジュールにも余裕を持たせることが大切です。
AIの活用
AIをうまく活用することで、開発期間を短縮できる可能性があります。Jimdo(ジンドゥー)やContent Hub(コンテンツハブ)のようなAI Webサイト作成ツールを使えば、レイアウトやブランドイメージにあわせたWebサイトを短時間で自動生成できます。ただし、早く作成できる反面、カスタマイズできる範囲は限られます。
また、Catchy(キャッチー)を利用すれば、メタタグや商品説明文などのコンテンツ作成を効率化できます。さらに、ChatGPT(チャット・ジーピーティー)やGemini(ジェミニ)は、コードの作成や補完を支援し、開発作業の効率化に役立ちます。
ECサイトを構築する場合は、Shopify Magic(マジック)も活用できます。商品説明やブログ記事などの文章作成、画像編集、メールの件名や本文の作成、問い合わせへの返信案作成など、さまざまな業務を効率化できます。
まとめ
Webサイト制作には、一般的に3〜6か月程度かかります。ただし、Webサイトの規模や必要な機能、カスタマイズの範囲、関係者との調整状況などによって、制作期間は大きく変わります。
Webサイトをスムーズに制作するためには、CMSやWebホスティングの選定から、目標設定、情報設計、ワイヤーフレームの作成、開発、マーケティング準備、公開後の動作確認まで、それぞれの工程を計画的に進めることが大切です。
また、Webサイト作成ソフトやAIを活用すれば、一部の作業を効率化し、制作期間を短縮できる場合があります。一方で、独自機能の追加や複雑なデザインを採用する場合は、その分スケジュールに余裕を持たせることが重要です。
制作期間の目安を把握したうえで、各工程を着実に進めることで、品質の高いWebサイトを効率良く公開できます。
Webサイト制作の流れに関するよくある質問
Webサイト制作にはどのくらい時間がかかる?
Webサイト制作には、一般的に3〜6か月程度かかります。ただし、Webサイトの規模や機能、カスタマイズの範囲などによって、制作期間は前後します。
1週間でWebサイトを制作することは可能?
シンプルなWebサイトであれば、既存のテーマやAIなどを活用することで、約1週間で制作できる場合があります。
Webサイトを自分で制作することは可能?
ホームページ作成ソフトやAI Webサイト作成ツールを活用すれば、自分でWebサイトを制作することは可能です。
ホームページ作成にかかる費用は?
ホームページ作成費用は、作成方法によって大きく変動します。ホームページ作成ソフトを利用すれば費用を抑えられる一方、大規模な企業向けのWebサイトで、オリジナルデザインや独自機能を取り入れる場合は、数百万円から1,000万円程度かかることもあります。




