Instagram(インスタグラム)のライブ配信を通じて商品を紹介し、視聴者とコミュニケーションを取りながら販売につなげる手法が、インスタライブショッピングです。商品の使用感やサイズ感を動画で伝えられるほか、視聴者からの質問にもその場で答えられるため、オンラインでも実店舗での接客に近い購入体験を提供できます。
Instagramが提供していたライブ配信中の商品タグ機能は2023年に終了しましたが、現在も別の機能を使うことで、ライブ配信とECサイトを組み合わせた商品販売をすることが可能です。
この記事では、2026年現在の日本におけるインスタライブショッピングの仕組みや始め方、配信内容の例、Shopify(ショッピファイ)を活用した販売方法を解説します。

インスタライブショッピングとは
インスタライブショッピングとは、Instagramのライブ配信機能であるインスタライブを使って、リアルタイムで商品を紹介して購入につなげる販売手法です。インスタライブで、視聴者からのコメントや質問を受け付けながら、商品の特徴や使い方を説明し、購入を希望する視聴者を、インスタプロフィールやストーリーなどのECサイトの商品ページへ誘導します。
このようにライブ配信を通じて商品を販売する方法は、ライブコマースと呼ばれます。ライブコマースは、Instagramのほかにも、TikTok(ティックトック)やYouTube(ユーチューブ)などのSNSや、Peace You LIVE(ピースユーライブ)などのライブコマース専門プラットフォームで行うことができます。
インスタライブショッピングで2023年に終了した機能と現在できること
Instagramでは以前、ライブ配信中に商品をタグ付けし、視聴者が商品情報を確認して購入へ進める「Instagram Live Shopping」という機能が提供されていましたが、この機能は2023年3月に提供を終了しました。
現在は、ライブ配信で商品を紹介し、プロフィールのリンクやDMなどを通じてECサイトへ誘導する方法が基本です。通常の投稿やストーリーズで利用できるInstagramショッピングの商品タグ機能は、フィードやストーリーで引き続き利用できます。

インスタライブショッピングのメリット
潜在的な顧客へのリーチが期待できる
Instagramは世界中に多くの利用者を抱えており、Metaの発表(英語)によると、2025年9月時点の月間アクティブユーザー数は30億人に達しています。
こうしたユーザー規模の大きさは、インスタライブショッピングのメリットの一つです。多くの人が日常的に利用しているからこそ、まだブランドを知らない潜在顧客へのリーチが期待できます。
既存のフォロワーに商品を深く知ってもらえる
インスタライブショッピングでは、普段からInstagramの投稿やリールを見ているフォロワーに、商品の魅力をより詳しく伝えられます。
たとえば、アパレル商品ならモデルが実際に着用し、正面だけでなく横や後ろからのシルエット、歩いたときの動き、ほかのアイテムとの組み合わせなどを見せ、コスメなら、肌に塗ったときの発色や仕上がりを紹介することで、商品への理解を深めてもらうことができます。
フォロワーとの関係を深められる
インスタライブに、店舗スタッフや商品開発者が出演すれば、商品の特徴だけでなく、開発の背景やブランドのこだわりを直接伝えられます。
視聴者のコメントに答えながら対話形式で配信を進めることで、通常の投稿以上に密接なコミュニケーションが生まれます。こうしたインタラクティブな交流を通じて、視聴者のブランドに対する親近感や信頼を自然と高めることができます。
購入前の疑問をその場で解消できる
インスタライブショッピングでは、視聴者の質問にその場で回答できます。
たとえば、洋服のサイズ感や素材について質問されたら、スタッフが実物を見せながら説明したり、比較のために異なるサイズの洋服を着用して見せたりすることができます。商品を直接確認できないオンラインショッピング特有の不安を軽減し、購入判断を後押しできます。
また、寄せられた質問から顧客の懸念点やニーズを把握し、商品ページの説明や今後の商品開発に活かすこともできます。

インスタライブショッピングのやり方
1. Instagramライブの利用条件を確認する
Instagramでライブ配信をするには、原則として以下の条件を満たす必要があります。
- 公開アカウントであること
- フォロワーが1,000人以上いること
- Instagramの利用規約とコミュニティガイドラインを遵守していること
ただし、条件を満たしていても、アカウントに利用制限がある場合などは配信できないことがあります。
2. 紹介する商品と購入ページを準備する
ライブ配信で紹介する商品を選ぶ際は、動画で紹介する効果が大きいものを優先するとよいでしょう。アパレル、コスメ、調理器具、インテリア用品などは、実際の使用シーンを映すことで魅力や特徴が伝わりやすいのでおすすめです。
紹介する商品については、事前に次の情報を整理しておきます。
- 商品名と価格
- カラーやサイズなどのバリエーション
- 商品の特徴と使い方
- 在庫状況や販売開始日時
- 送料、発送時期、返品条件
- 商品ページのURL
- キャンペーンやクーポンの利用条件
複数の商品を紹介する場合は、ライブ配信専用の商品一覧ページを用意する方法もあります。視聴者にとっては、商品をまとめて確認でき、商品を探す手間を省けるメリットがあります。
配信で取り上げる商品を決定したら、視聴者がアプリ外の決済画面へ移動してストレスなく購入手続きを完了できるよう、自社ECサイト側の専用ページを用意しておきます。Instagramのプロフィールに商品ページや特集ページへのリンクを設定しておくと、ライブ配信中にスムーズに購入先を案内できます。
3. ライブ配信を事前に告知する
ライブ配信の日時や内容が決まったら、Instagramの投稿やストーリーズ、リールなどで告知します。配信日時に加えて、紹介する商品やキャンペーンの内容も記載しておきましょう。
Instagramでは、ライブ配信のスケジュールを事前に設定する機能があるので、ぜひ利用しましょう。事前通知によって配信の見逃しを防ぐことができます。
4. Instagramでライブ配信を開始する
Instagramアプリから、以下の手順でライブ配信を開始します。
- Instagramアプリを開き、投稿の作成画面で [ライブ] を選択する
- 必要に応じて配信タイトルなどを設定する
- 撮影画面と音声を確認し、ライブ配信を開始する
配信中は商品の特徴や使い方、価格などを紹介し、視聴者からのコメントや質問に回答します。途中から参加する視聴者もいるため、商品名や購入方法は繰り返し案内しましょう。
5. 視聴者を商品購入ページへ誘導する
ライブ配信で紹介した商品を購入してもらうには、ECサイトへの導線を用意します。主な方法は以下のとおりです。
- プロフィール欄のリンク: 商品ページや特集ページへ誘導する
- ストーリーズ: リンクスタンプで購入ページを共有する
- DM: 購入希望者に商品ページのURLを送信する
配信中は、購入方法や特典コードを記載したコメントを固定表示しておくと、途中から参加した視聴者にも一目で伝わります。配信終了後も、ストーリーズなどから商品ページへ誘導することで、ライブの高揚感が残っているうちに視聴者の購入を後押しできます。

インスタライブショッピングの配信内容の例
商品デモンストレーションや使い方の紹介
インスタライブショッピングで特に有効なのは、商品の実演や、使い方の紹介です。配信で寄せられた質問を整理すれば、商品ページの説明やFAQを改善する際にも役立ちます。
たとえば、アパレルブランドのSOÉJU(ソージュ)は、Instagramライブを活用してアイテムの着回し方やスタイリングを紹介しています。セットアップをテーマにした配信では、ブラウスとパンツの組み合わせに合わせる小物や着こなし方を変え、さまざまなコーディネートを提案しています。配信後には、紹介した商品やコーディネートを公式ECサイトにも掲載しています。
新商品発表や期間限定キャンペーン
商品の発売や期間限定キャンペーンに合わせてライブ配信を行うのも効果的です。配信前に発売日時やキャンペーンの期間を告知しておき、ライブでは商品の実演や質問への回答を行います。発売開始のタイミングで、商品ページへのアクセス方法を案内しましょう。
たとえば、アクセサリーブランドのstoork(ストーク)は、Instagramライブを活用して新作商品を紹介し、ライブ中に限定クーポンを配布しています。配信では、新作のピアスやリング、ネックレスなどの複数点を実際に着用しながら紹介し、購入を促しています。
新商品のお披露目と限定特典を組み合わせることで、視聴者の関心を高め、購入のきっかけをつくっている好例です。
インタビューや舞台裏の紹介
インスタライブは、商品を販売するだけでなく、ブランドのファンやコミュニティを育む場としても活用できます。たとえば、創業者へのインタビューや商品開発の舞台裏、製造工程を公開することで、ブランドの考え方やものづくりへのこだわりを伝えられます。
香川県発のバッグブランドカワニシカバンは、Instagramライブを毎週月、火、金曜日に継続的に配信し、商品の開発秘話や使い心地、スタッフの紹介などを行っています。また、社内の経営方針発表大会をライブ配信するなど、普段は見られない会社の舞台裏も公開しています。
こうした配信は、商品だけでなく、つくり手の人柄やブランドの価値観を伝え、視聴者との関係を深めることにも役立ちます。
インフルエンサーや専門家を起用したQ&A
インフルエンサーや専門家をゲストに招き、視聴者からの質問に答える形式も効果的です。たとえば、化粧品ブランドならメイクアップアーティスト、食品ブランドなら料理研究家、アパレルブランドならスタイリストを招く方法があります。
家具ブランドのKANADEMONO(カナデモノ)は、インテリアの専門家を招いたInstagramライブを開催しています。インテリアコーディネーターの谷口久美子さんをゲストに迎えた配信では、家具を使ったスタイリングを紹介しながら、洗練された空間づくりや部屋の模様替えなど、視聴者からの質問にも回答しています。
このように専門家の知識や経験を活かすことで、商品の活用方法を詳しく伝えられるほか、視聴者の疑問や悩みの解消にもつながります。

インスタライブショッピングを成功させるコツ
配信の進行と購入導線を計画する
ライブ配信を始める前に、紹介する商品や説明する順番、購入を案内するタイミングを決めておきます。たとえば、30分の配信なら、最初に概要を紹介し、続いて商品の実演、質問への回答、購入方法の説明という流れが考えられます。
商品名、価格、カラーやサイズ、在庫情報、購入ページの案内などをまとめた進行表を用意しておくと、配信中の備忘録として重宝します。
また、出演者とは別にコメント対応の担当者を配置しておくと、質問の見落としを減らせます。Instagramには、コメントの管理などを補助するモデレーター機能もあるので活用しましょう。
注文や配送、返品などに関する個別の問い合わせは、必要に応じてカスタマーサポートへ引き継ぎましょう。
複数のチャネルで事前告知する
ライブ配信を視聴してもらうには、事前の告知が欠かせません。通常の投稿やリール、ストーリーズを活用し、商品の特徴やライブ配信の見どころを紹介します。
さらに、メルマガやLINE公式アカウント、ECサイトのトップページなどでも案内すれば、Instagramを頻繁に利用しない既存顧客にも配信を知らせられます。
インフルエンサーと共同で配信する場合は、ゲスト側のSNSでも日時や内容を告知してもらうとよいでしょう。
有料広告を活用する方法もあります。Meta広告マネージャーからInstagramライブ動画広告を作成すれば、ライブ配信を広告として届け、既存フォロワー以外への認知拡大を図ることができます。配信の目的や予算に合わせて広告を活用し、視聴者の獲得につなげましょう。
スマートフォンで見やすい配信にする
Instagramライブはスマートフォンでの視聴が前提となるため、縦長の画面構成で配信を組み立てます。商品を十分な大きさで映し、文字や価格が小さくなりすぎないように調整しましょう。配信中はコメントなどが画面に表示されるため、商品の重要な部分や文字が隠れない位置に配置する必要があります。
- 商品の色や質感がわかる明るさを確保する
- 周囲の雑音を抑え、説明する声が聞き取りやすい環境にする
- 商品を見せる際は、カメラに十分近づける
- 商品名や価格などの文字を大きく表示する
- 通信環境を確認し、配信前にテストを行う
視聴者との交流を促す
インスタライブショッピングでは、視聴者のコメントや質問に積極的に対応することが重要です。
たとえば、商品の紹介中に「ほかに見たいカラーはありますか」などと質問を投げかけると、視聴者が参加しやすくなります。質問への回答だけでなく、投票形式で人気の商品を選んでもらって、複数のコーディネートを比較する企画なども考えられます。
配信の成果を測定する
ライブ配信は一度で成果を判断せず、複数回実施して徐々に改善することも大切です。配信後には、Instagramのインサイトも活用し、次のような項目を総合的に評価しましょう。
- ライブ配信の視聴者数
- コメントや質問の件数
- 紹介した商品ページへのアクセス数
- ライブ配信に関連する注文数と売上
- 配信に使用した広告費や制作費
ライブ配信専用のクーポンコードを用意し、ECサイトへのリンクと一緒に案内すれば、配信経由の購入をトラッキングしやすくなります。
こうしたデータを参考に、配信する時間帯、紹介する商品の種類、購入案内の方法などを改善していきましょう。

Shopifyを活用したインスタライブショッピングの使い方
ShopifyとInstagramの商品カタログを連携する
Shopifyの「Facebook and Instagram by Meta」を設定すると、Shopifyの商品情報をMetaの商品カタログに同期できます。
基本的な設定手順は次のとおりです。
- Shopify管理画面の [設定] > [販売チャネル] からShopify App Storeにアクセスし、Facebook & Instagramを追加する
- Facebookアカウントにログインし、必要なMetaのビジネスアセットを接続する
- 利用規約に同意し、販売チャネルの設定を完了する
- Instagramショッピングの利用要件を確認し、必要な設定と審査を進める
- Shopifyの商品をMetaの商品カタログに同期する
Instagramショッピングを利用するには、Metaのコマースポリシーを満たしていることや、Instagramのプロアカウントを使用していることなどの要件があります。連携が完了すると、審査で承認された商品をInstagramの通常の投稿やストーリーズにタグ付けできるようになります。
ライブで紹介する商品をコレクションにまとめる
Shopifyでは、複数の商品をグループ化して表示できる「コレクション」機能を利用できます。たとえば、ライブ配信で紹介する春の新作アイテムを「インスタライブ紹介商品」というコレクションにまとめれば、視聴者は一つのページから商品を確認できます。
コレクションはShopifyの管理画面にある [商品管理] > [コレクション] から作成でき、対象商品を手動で追加することも、設定した条件に基づいて自動的に追加することも可能です。
また、Shopifyで商品情報や在庫を管理できるため、ライブ配信で紹介した商品が売り切れた場合も、在庫管理の設定に応じてECサイトに在庫状況を反映できます。
配信ごとにコレクションを作成しておけば、ライブ終了後も紹介商品をまとめたページとして活用できます。
ライブコマースアプリで注文受付を自動化する
Shopifyでは、Instagramライブと連携する外部アプリを活用して、商品の購入案内を自動化することもできます。
たとえば、Shopify App Storeで提供されているSoldLive(英語)アプリを使うと、Instagramライブのコメントをもとに注文を受けることができます。商品ごとに番号を割り当て、視聴者が希望する商品の番号をコメントすると、DMを通じてShopifyのチェックアウトへ案内する仕組みです。
こうしたアプリを利用すれば、購入希望者に一件ずつ商品ページを案内する手間を減らし、注文受付を効率化できます。
まとめ
インスタライブショッピングは、Instagramのライブ配信を通じて商品を紹介し、視聴者との交流を販売につなげる手法です。
商品の実演や質問への回答、新商品発表、期間限定キャンペーンなどを行うことで、商品の魅力をリアルタイムで伝えられます。販売につなげるには、視聴者が迷わず商品ページへアクセスできる購入導線を整えることが重要です。
Shopifyを活用すれば、商品カタログの連携やライブ配信専用のコレクション作成、外部アプリによる注文受付の自動化も可能です。
配信内容と購入導線を工夫しながら、視聴者との関係づくりや売上向上につなげましょう。
インスタライブショッピングに関するよくある質問
インスタライブショッピングは現在も利用できる?
Instagramのライブ配信を活用した商品販売は現在も可能です。ただし、ライブ配信中に商品タグを表示する機能は2023年に終了しており、現在はプロフィールのリンクやDMなどからECサイトへ誘導する方法が基本です。
Instagramでライブ配信をするための条件は?
2026年現在、Instagramでライブ配信を行うには、原則として公開アカウントでフォロワーが1,000人以上いることが必要です。また、Instagramの利用規約やコミュニティガイドラインを遵守し、ライブ配信の利用制限を受けていない必要があります。
インスタライブショッピングは無料でできる?
Instagramのライブ配信機能は無料で利用できます。ただし、商品を販売する際には、ECサイトの運営費や決済手数料などがかかるほか、有料広告や外部アプリを利用する場合は別途費用が発生します。




