Klaviyo(クラビヨ)は、EC事業者のメールマーケティングを10年以上支えてきたツールです。同社の発表によると、2026年6月末時点で世界の20万5,000を超えるブランドが利用しています。
現在はAIの機能も加わり、メールやアプリのプッシュ通知など複数のマーケティングチャネルで顧客とやり取りできる、オムニチャネルマーケティングプラットフォームになっています。自社サイトでの接客から問い合わせへの返信、顧客データの管理まで、顧客体験にかかわる作業を一つのツールで行えます。
この記事では、Klaviyoの主な機能や料金、ほかのツールとの違いに加え、Shopify(ショッピファイ)ストアとの連携方法を紹介します。

Klaviyoとは
Klaviyoとは、B2C ECブランドを主な対象とした、米国発のマーケティングツールです。購買履歴などの顧客情報をもとに既存客や見込み客との関係を深められるため、顧客ロイヤルティの向上や売上アップにつながります。
もともとはSMSやメールマーケティングのツールでしたが、新しいツールが加わったことで、マーケティングやカスタマーサービス、分析、顧客データの保存が一か所で行えるようになりました。2026年10月時点で管理画面は日本語に対応していませんが、メールは日本語で作成して配信できます。

Klaviyoの主な機能
メールマーケティング
Klaviyoには、効果的なメールマーケティングキャンペーンを設計し配信できる機能がそろっています。主な機能は次のとおりです。
- カスタマイズできるメールテンプレート
- 顧客を条件で絞り込んで送るセグメント配信
- ドラッグ&ドロップで作れるマーケティングオートメーション
- モバイルアプリのプッシュ通知
- ターゲット顧客の条件を示した文に従ってセグメントを作るAI
- AIによるコンテンツ生成
- キャンペーンのテスト
マーケティングオートメーションは、Klaviyoでは「Flow(フロー)」と呼ばれます。この機能を使うことで、メルマガへの登録やカゴ落ちなどをきっかけに、用意しておいたメールを自動で送れます。
ランドセルや革製品を扱う土屋鞄製造所は、カタログ請求や購入、商品のお届けといった段階ごとにKlaviyoでメールを送っています。同社によると、メールを届けた顧客とそうでない顧客では、購入率に明確な差が出ています。
顧客データ管理
Klaviyoのデータプラットフォームは、350以上の外部サービスと連携でき、複数の場所に散らばった顧客データを一か所に集められます。集めたデータは、同期や統合の手間をかけることなくKlaviyoのメール配信や問い合わせ対応機能ですぐに使えます。
Klaviyoでは、顧客一人ひとりの情報を「プロファイル」という単位で管理します。プロファイルには、最初の取引から現在までの購入履歴などがたまっていき、条件に合う顧客の一覧を自動で更新したり、CSVファイルで書き出したりするのに使えます。「東京都」と「東京」のような表記ゆれをそろえるといったデータの整理も、プログラミングなしで行えます。
アイスクリームブランドのMcConnell's Fine Ice Creams(マコネルズファインアイスクリームズ:英語)は、Klaviyoで顧客情報と購入履歴をまとめて管理し、リピート購入を促すメールを顧客ごとに出し分けています。
分析
Klaviyoの分析機能には、ベンチマークやアトリビューション分析、メールマーケティングのKPIを確認できる顧客やコンバージョンのダッシュボード、予測分析のツールがあります。これらを使うと、購買行動の予測、顧客生涯価値(LTV)の算出、購入までの行動を把握できます。分析の結果をもとに、AIが顧客ごとにおすすめ商品を選び出すため、一人ひとりに合った商品をメールで紹介することも可能です。
紅茶ブランドのHarney & Sons(ハーニー&サンズ:英語)は、Klaviyoの分析機能を使ってしばらく購入のない顧客にメールを送り、平均注文額を21%伸ばしました。
カスタマーサービス
Klaviyoには、問い合わせ対応に使えるCustomer AgentとHelpdesk、顧客向けのページを作るCustomer Hubがあります。
Customer Agentは、サイトのチャットやメールで届いた質問にAIが答える機能です。購入履歴などの顧客データや商品情報をもとに、注文の状況を伝えたり、その顧客に合った商品をすすめたりします。日本語の質問にも日本語で答え、AIで解決できない問い合わせは担当者に引き継げます。
Helpdeskは、メールやチャットの問い合わせを一つの受信箱にまとめるツールです。AIが問い合わせを内容に応じて担当者へ割り振り、返信の下書きも作るので、担当者は購入履歴などを見ながら返信を仕上げられます。
Customer Hubで作るページは日本語の表示にも対応し、顧客はここで配送状況を確かめたり、おすすめ商品を見たりできます。
アパレルブランドのMinistry of Supply(ミニストリーオブサプライ:英語)は、ブランドのデザインに合わせた会員ページをCustomer Hubで用意したところ、4か月足らずで2,000人以上の新規会員を獲得しました。

Klaviyoの料金
Klaviyoの料金は米ドル建てで、アクティブプロファイル(マーケティングメールを受け取れる連絡先)250件まで、月500通までのメール送信なら無料で使えます。
有料Emailプランはアクティブプロファイルの数とメールの送信数によって決まりますが、例えばプロファイル数500件までの場合、月20ドルでメールを月5,000通まで送れます。A/Bテストや予測分析のほか、AIによる文章や画像の生成も使えます。分析やカスタマーサービスの機能は必要なものだけ追加で契約でき、組み合わせた月額の目安は公式サイトの料金計算ツールで出せます。

KlaviyoとShopifyを連携する方法
KlaviyoはShopifyと直接連携でき、設定はKlaviyoの管理画面から行います。ほかのメール配信ツールをShopifyに接続している場合は、先にその接続を解除しましょう。残したままだと、既存の購読者に登録確認メールが改めて届くおそれがあります。
手順は次のとおりです。
- Klaviyoにログインし、「Integrations」タブを選びます。
- 「Explore apps」をクリックします。
- 検索欄に「Shopify」と入力し、Shopifyのカードを選んで「Install」をクリックします。
- ストアのURLを「ストア名.myshopify.com」の形式で入力し、「Connect to Shopify」をクリックします。Shopifyの画面に切り替わるので、求められたらログインします。
- アクセス権限の内容を確認し、「Install app」をクリックしてKlaviyoの画面に戻ります。
- 「Integrate」をクリックして連携を確定します。
- 「Sync your Shopify email subscribers to Klaviyo」にチェックを入れ、メール配信に同意した顧客を追加するリストを選びます。ウェルカムメールなどのフローで使うメインのリストを選ぶのがおすすめです。
- 「Complete setup」をクリックします。緑色のメッセージが表示されれば、データの同期が始まっています。
- 「Onsite tracking」の「Track behavioral events」にチェックを入れ、「Turn on」をクリックします。Shopifyのテーマ設定の「アプリ埋め込み」でKlaviyoをオンにして保存し、Klaviyoの画面に戻って緑色の表示が出れば完了です。

Klaviyoとほかのツールの違い
Klaviyoのほかにも、Shopifyで使えるメールマーケティングツールがあります。それぞれの特徴とKlaviyoとの違いは以下のとおりです。
- Shopify Messaging:Shopifyが提供するメールマーケティングのアプリです。テンプレートやドラッグ&ドロップのエディタ、AIによるコンテンツ生成、顧客セグメントを使った自動配信を備え、毎月1万通までは無料で送れます。Klaviyoのような本格的なCRMやカスタマーサービスの機能はありません。
- CWILL Popup Email Marketing:ポップアップで集めた登録者にメールを配信できるShopifyアプリです。ウェルカムメールやカゴ落ち、休眠顧客の掘り起こしなどの自動配信に対応し、無料プランのほか、月11.90ドルからの有料プランがあります。無料プランでもメールを月2,000通まで送れ、Klaviyoの無料プラン(月500通)より多く送れますが、新規登録者は月30人までです。
- StoreCRM:メールとLINEで配信できるShopify向けのCRMアプリです。カゴ落ちした顧客へのリマインドや、再入荷のお知らせを自動で送れます。配信に同意した顧客やLINEを連携した顧客が300人までなら無料で使え、有料プランは月9ドルからです。無料プランでもメールを月1,000通まで送れ、Klaviyoの無料プラン(月500通)より多く送れます。
この3つは、いずれも日本語に対応しています。
まとめ
Klaviyoは、メールマーケティングを中心に、顧客データの統合や分析、AIによる問い合わせ対応までを一つのツールで扱えるマーケティングツールです。Shopifyとは直接連携でき、メルマガ登録やカゴ落ちなどをきっかけに、用意しておいたメールを自動で送れます。
料金は、アクティブプロファイルの数と使う機能によって決まります。無料プランでも、アクティブプロファイル250件まで、月500通のメールを送れます。
Shopifyでは無料体験を実施しています。Klaviyoとの連携も含めて、ぜひお試しください。
Klaviyoに関するよくある質問
Klaviyoでできることは?
メールやアプリのプッシュ通知を使ったマーケティング、顧客データの統合と分析、AIによる問い合わせ対応を、一つのツールで行えます。購入履歴などをもとにパーソナライズしたメールを自動送信することもできます。
Shopify MessagingとKlaviyoの違いは?
Shopify Messagingは、Shopifyが提供するメールマーケティングのアプリです。管理画面は日本語に対応し、毎月1万通まで無料でメールを送れますが、本格的なCRMやカスタマーサービスの機能はありません。Klaviyoは、顧客データの分析やカスタマーサービスまで一つのツールで扱えます。
Klaviyoの料金は?
無料プランでは、アクティブプロファイル250件まで、月500通のメールを送れます。有料のEmailプランは、500件で月20ドルからです。
Klaviyoは日本語で使える?
2026年10月時点で、Klaviyoの管理画面は日本語に対応していません。ただし、メールの件名や本文、登録フォームは日本語で作成して配信できます。問い合わせに答えるCustomer Agentは日本語の質問に日本語で返し、顧客向けのCustomer Hubも日本語で表示できます。




